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Webマーケティング入門 公開日:2022.01.20

検索クエリとは? キーワードとの違いや分析方法について

検索クエリとは、ユーザーが検索エンジンで入力した語句や文章のことで、Webマーケティングで重要な用語です。しかし、キーワードとどう違うのか、検索クエリをリスティング広告にどのように活用したらよいのか、いまひとつわからない人もいるでしょう。

そこで本記事では、検索クエリとは何か、主な種類、活用方法などを基礎から解説します。検索クエリの確認方法や検索意図の確認方法も紹介しているので、自社のWeb広告運用に役立ててください。

検索クエリとは?

検索クエリとは、Yahoo! JAPANなどの検索エンジンの検索窓にユーザーが入力した語句です。具体的には「東京」「東京 タワー」「東京タワーに行くには」のように、単語や単語の組み合わせ、文章など、さまざまな検索クエリがあります。

リスティング広告を運用する際には、自社商品に関心のあるユーザーが入力する検索クエリを予想して、キーワードを設定します。検索クエリからユーザーニーズを推測して、クリック数が増えそうなキーワードを登録したり、ユーザーニーズに合った広告を出稿したりすることで、効果を高められます。

検索クエリをユーザーニーズと考えれば、リスティング広告以外にも応用可能です。例えば、検索クエリの傾向からユーザー像を推測し、ディスプレイ広告のターゲティングに使えます。また、推測したユーザー像は、広告制作やオウンドメディアのコンテンツ制作などにも応用できます。

検索クエリとキーワードの違い

Web広告運用でのキーワードとは、マーケティング担当者や広告運用担当者が顧客をターゲティングするために登録する語句のことです。一方、検索クエリはユーザーが実際に入力する語句や文章で、Web広告運用ではユーザーニーズの把握や成果測定に使います。結果的にキーワードと検索クエリが同じになることもありますが、目的や意味は違うことが多いです。

用語 意味
検索クエリ ユーザーが実際に入力する語句や文章
キーワード 顧客をターゲティングするために登録する語句

なお、キーワードは検索クエリと異なり、原則として文章では登録しません。また、誤字脱字や表記のゆれも考慮しません。しかし、完全一致やフレーズ一致、部分一致など、登録キーワードに対する設定によって、検索クエリと対応します。また、検索エンジンが同じ意図を持つと判定すれば、誤字脱字や表記のゆれがあっても広告が表示されます。

検索クエリの主な種類

検索クエリはユーザーの意図や目的によって、いくつかの種類に分けられます。ここでは、Andrei Broderの「A taxonomy of web search」で提唱されたインフォメーショナルクエリ(情報型)ナビゲーショナルクエリ(案内型)トランザクションクエリ(取引型)の3分類を紹介します。

参考:Penn Engineering Andrei Broder「A taxonomy of web search

ただし、検索クエリは人が入力する以上、明確に分類できるとは限りません。同じ内容でもユーザーや状況によって、種類の分類が変わります。また、複数の目的を含んでいることもあります。

インフォメーショナルクエリ(情報型)

インフォメーショナルクエリ(情報型)は、ユーザーが1つまたは複数のサイトから、何らかの情報を得たいときに入力する検索クエリです。インフォメーショナルクエリは検索クエリ全体でもっとも多い割合を占めています。

例えば、「ハンバーグ レシピ」「ヨガ やり方」「確定申告 期限」などの検索クエリが挙げられます。ユーザーは検索結果のなかから、ニーズを満たせそうなサイトにアクセスして、情報を得ようとする傾向が読み取れます。

また、インフォメーショナルクエリを入力したユーザーは、何らかの行動を起こそうとまでは考えていない傾向があります。したがって、ユーザーを自社サイトに誘導できたとしても、購買や問い合わせに至らないケースがほとんどです。ただし、オウンドメディアでユーザーに有益な情報を提供して、自社の認知度向上などの目的には活用できます。

ナビゲーショナルクエリ(案内型)

ナビゲーショナルクエリ(案内型)は、特定のサイトにアクセスしたい意図を持ったユーザーが使う検索クエリです。大手企業や有名サイト、認知度の高い商品名などが多いため、検索クエリ全体に占める割合はもっとも少ないタイプです。

例えば、「Yahoo! JAPAN」「厚生労働省」「天気予報」などは、ナビゲーショナルクエリに分類されます。単ワードが多いことと、ユーザーの頭のなかに検索結果とアクセス先が明確にイメージされていることが特徴です。

ナビゲーショナルクエリを使うユーザーは、広告を閲覧しなくてもサイトに直接アクセスしてニーズを満たすため、具体的な施策に反映しにくいとされています。応用的な活用としては、競合他社名や商品名をキーワードに含める手法があります。

トランザクションクエリ(取引型)

トランザクションクエリ(取引型)は、商品購入や問い合わせ、資料請求など、具体的な行動を起こしたいユーザーが使いやすい検索クエリです。商品やサービス名にアクションを示すキーワードが組み合わされる傾向があります。

例えば、「お米 通販」「不用品処分 即日回収」「渋谷 美容室」などはトランザクションクエリで、多くの組み合わせがあるのが特徴です。また、含まれるキーワードやフレーズによって、行動意欲の高さも変わります。

トランザクションクエリは、商品購入や問い合わせなどのコンバージョンにつなげやすいことがメリットです。そのため、リスティング広告の運用では、いかにトランザクションクエリから重要なキーワードを抽出するかが重要です。ただし、需要が高い検索クエリは入札単価が上がりやすいため、費用対効果の高いキーワードを選定する必要があります。

検索クエリの活用方法

検索クエリを分析すると、リスティング広告のキーワードの追加や修正が可能です。また、ディスプレイ広告の運用やSEOなどにも応用できます。

リスティング広告のキーワード追加・修正

リスティング広告を効果的に運用するには、検索クエリを確認し、キーワード登録を改善することが重要です。リスティング広告はニーズが顕在化しているユーザーが主な対象なので、コンバージョン(目標達成)が多いキーワードを追加し、コンバージョンが少ないキーワードを修正するのが基本です。

具体的には、Web広告の運営会社が提供するレポートを参照して、コンバージョンに至ったユーザーの検索クエリを確認します。仮に登録キーワードが「美容院」のみの場合に、「美容院 白髪染め」などの検索クエリがあれば「白髪染め」も追加します。予想外の単語が発見されることもあるため、定期的に検索クエリのレポートを確認しましょう。

また、ユーザーニーズとキーワードがズレているときは修正します。例えば、「腰痛」よりも「ヘルニア」のほうが検索クエリのボリュームが多い場合は、キーワードの変更を検討するとよいでしょう。キーワードをユーザーニーズに合わせて具体的に設定すると、入札単価を下げながら見込み度の高いユーザーに絞って広告を配信できます。

リスティング広告の除外キーワードの選定

除外キーワードまたは対象外キーワードは、特定の検索クエリを入力したユーザーに広告を表示しないために使います。例えば、新品の家電を販売しているECショップなら、「家電 中古」「家電 修理」などの無関係な検索クエリを除外キーワードに設定します。

除外キーワードを活用すると、広告をクリックしても成果につながらないユーザーには広告が表示されなくなり、余計な広告費用を削減できます。また、ユーザーニーズに合った広告内容を出稿することで、検索エンジンが判定する広告品質のスコア向上も見込めます。そのため、少ない入札単価で広告を出稿できるようになります。

Yahoo!広告でキーワードの除外設定をしたい場合は、検索クエリの一覧を表示したあと、対象の検索クエリを選んで「対象外キーワードとして追加」ボタンを押します。検索クエリの確認方法は後ほど解説します。

検索クエリについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

検索クエリー一覧でキーワード、対象外キーワードを追加する」について詳しく見る

他マーケティング手法での活用

検索クエリはユーザーニーズを表すため、他のWeb広告にも応用可能です。例えば、検索ボリュームの多い検索クエリが発見され、コンバージョン率も高かった場合は、これらの語句をディスプレイ広告のキャッチコピーに含むことで、訴求力を高められます。

また、ディスプレイ広告のターゲティングに活用することも可能です。例えば、Yahoo!広告の「サーチキーワードターゲティング」を利用すれば、特定の検索クエリを使ったユーザーに対してディスプレイ広告を配信できます。検索クエリの分析結果をダイレクトに連動できるため、手間を増やすことなく、効果的な広告配信が可能です。

その他、検索クエリをSEOに活用して、ユーザーニーズに合ったコンテンツを作ることも可能です。例えば、競合他社が狙っていないインフォメ?ショナルクエリをみつけてユーザーニーズを満たす記事を書けば、検索上位に掲載されやすくなるため、自社サイトへのアクセス数の増加や、認知度向上が期待できます。

検索クエリの確認方法

検索クエリは、Web広告の管理画面で確認できます。ここでは、Yahoo!広告での確認方法を説明します。

  1. 広告管理ツールの「検索広告」をクリックします。
  2. 「キャンペーン管理」タブをクリックします。
  3. 画面中央の「キーワード」をクリックします。
  4. 画面中央の「検索クエリーを表示」ボタンを押し、「表示されているすべてのキーワード」または「選択したキーワード」を選択します。
  5. 「表示されているすべてのキーワード」を選択した場合は、すべての検索クエリが表示されます。「選択したキーワード」を選んだ場合は、「キーワード一覧」でチェックを入れているキーワードを含む検索クエリが表示されます。なお、検索回数が少ないものは、個人を特定できる恐れがあるため公表されません。

キーワードの検索クエリー一覧について、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

キーワードの検索クエリー一覧について」を詳しく見る

検索意図の確認方法

検索クエリを確認しただけでは、検索意図がはっきりしないことがあります。そのような場合は、実際に検索エンジンで検索結果を確認したり、フォーラムサイトやQ&Aサイトを調べたりします。

実際に検索結果を確認する

実際に検索クエリを検索窓に入力し、検索エンジン上の結果を確認します。特に上位掲載サイトはユーザーニーズを満たした優良な記事と判定されているため、検索結果1ページ目のサイトのタイトルやコンテンツの内容を読むと、ユーザーの意図がはっきりしてきます。また、検索結果の最上部や最下部に表示されている関連キーワードも、検索意図の理解に役立ちます。

Yahoo!知恵袋などを活用する

ユーザーが直接書き込めるフォーラムサイトやQ&Aサイトを調べると、検索意図が明確になる場合があります。特に、ユーザーが何かを知りたい場合に入力するインフォメ?ショナルクエリの理解に役立つでしょう。

例えば、Yahoo!知恵袋のサイト内の検索窓に検索クエリを入力すると、ユーザーの質問内容が表示されます。そのままではヒットしない場合は、検索クエリから単語を切り出してみましょう。内容を読めば、どのような意図で検索したのか、どのような答えに満足したのか推測できます。

Yahoo!知恵袋」について詳しく見る

検索クエリ分析でユーザーニーズをつかもう

検索クエリはユーザーが実際に検索した語句や文章で、ユーザーニーズを表します。そのため、リスティング広告を効果的に運用するには、検索クエリの分析が欠かせません。また、検索クエリの分析結果は、ディスプレイ広告やSEOなど他のマーケティングにも応用可能です。

Yahoo!広告では、広告管理画面で検索クエリのレポートを簡単に確認できます。検索クエリから抽出したキーワードを追加、修正しながら、広告効果を高めましょう。また、Yahoo!広告のディスプレイ広告で「サーチキーワードターゲティング」を活用すれば、特定の検索クエリを使ったユーザーに対して、ディスプレイ広告を表示できます。気になる方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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