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Webマーケティング入門 公開日:2021.08.19

リスティング広告で狙うべきキーワードの選び方は? 選定手順やマッチタイプを解説

Yahoo!広告

リスティング広告を作る際、選択したキーワードで広告の効果は大きく変わります。場合によっては思うようにクリックされなかったり、クリックされてもコンバージョンまで至らなかったりします。そうなると、広告コストばかりが上がり成果がまったく得られないという結果になりかねません。

ここでは、リスティング広告で成果を出すためのキーワードの選び方や選ぶ手順、注意点などを解説します。

リスティング広告のキーワードとは?

リスティング広告は、設定したキーワードがユーザーに検索されることで表示されます。リスティング広告における「キーワード」とは、広告を出稿する際に設定するテキストであり、ユーザーがどのような言葉で検索したときに広告を表示させるかを決定するものです

検索エンジンを利用するユーザーは自身の興味や関心に基づきキーワードを入力します。そのため、表示された広告が検索の意図にマッチしていればクリックされる可能性が高まります。

また、クリックして訪れた先のWebサイトで商品やサービスに魅力を感じれば、サイト内で購入や契約など何らかのアクションを起こすことが期待できます

リスティング広告のキーワードはビジネスの成功に直結する要素であり、慎重かつ的確な設定が必要です。

リスティング広告で狙うべきキーワード

リスティング広告で指定するキーワードには、いくつかの種類があります。ここではリスティング広告で狙うべきキーワードを3つ紹介するので、確認しておきましょう。

また、別記事では、使用がNGとなっているキーワードについても紹介していますので合わせてご確認ください。

リスティング広告のNGキーワードとは? 具体例と避けるためのポイント」を読む

単ワード

単ワードとは単一の検索キーワードのことで、以下のようなものをいいます。

  • 転職
  • 海外旅行
  • ノートパソコン など

単ワードのなかには、ビッグワードといわれる検索数が特に多いキーワードもあります。検索ニーズの高いキーワードは入札単価が高めですが、広告を掲載できれば幅広い層へアプローチが可能です。

ビッグワードについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

「ビッグワードとは? 主な特徴とリスティング広告との相性を解説」を読む

指名キーワード

指名キーワードとは、企業名やブランド名、商品名など固有の名称のことです。例えば、以下のようなキーワードを指名キーワードといいます。

  • LINEヤフー株式会社
  • Yahoo!広告
  • Yahoo! JAPAN など

指名キーワードは比較的競争率が低いため入札単価が低くなりやすく、広告費を抑えたい場合でも狙いやすいのがメリットです。ただし、指名キーワードで検索するのはすでに自社や商品・サービスのことを認知しているユーザーです。

そのため、「関連する商品ジャンルやテーマに興味関心を抱いているものの、まだ自社や商品・サービスを認知していないユーザー(潜在層)」には広告を掲載しにくい点に注意しましょう。

掛け合わせキーワード

掛け合わせキーワードは、2語以上の単語を組み合わせたキーワードです。以下のように、ユーザーの検索意図やニーズを予想して複数のキーワードを設定します。

  • 学習塾 小学生
  • 化粧水 30代 女性
  • 賃貸マンション 東京都 など

2?3語以上を掛け合わせたキーワードは、入札単価が低くなる傾向にあります

月の予算によって狙うべきキーワード

ここでは、月の広告予算によって狙うべきキーワードを紹介します。

予算:~30万円

基本的に、競合の多いキーワードは入札単価が高く、多くの予算が必要です。月の予算が30万円以下の場合は、競合が比較的少ないと考えられる自社の社名や商品名などの指名系キーワードや業界キーワードを狙いましょう。

予算:31万円~50万円未満

月の予算が31万円から50万円未満の場合、月30万円が予算の場合よりも広いターゲットを狙えます。例えば、今すぐではないものの近いうちに検索されると考えられるキーワード(業界キーワード)などが該当します

予算:50万円~

月の予算が50万円を超えると、より検索ボリュームの大きいキーワードや競合の多いキーワードも狙えるようになります。例えば、指名系キーワードや自社の業界キーワードに加えて、近しい業界キーワードも設定してターゲットの幅を広げてみましょう

リスティング広告のキーワードの選び方

キーワードの選び方は、以下の8つの手順の流れに沿って絞り込むのが理想的です。

  1. 1. ターゲットについて整理する
  2. 2. 自社の商品やサービスの強み・弱みを知る
  3. 3. 口コミやお客様の声からヒントを得る
  4. 4. 競合調査をする
  5. 5. キーワードアドバイスツールを活用する
  6. 6. 軸となるキーワードを決める
  7. 7. 掛け合わせるキーワードを選ぶ
  8. 8. キーワードをブラッシュアップする

上記の手順を順番に見ていきましょう。

ターゲットユーザーについて整理する

まずはターゲットとするユーザーの属性や特徴、ニーズを整理します。 男性向けなのか女性向けなのか、どのくらいの年齢層がメインターゲットなのか、どのような悩みやニーズを抱えているのかを細かく洗い出していきましょう。そうすることで「ターゲットユーザーが検索しそうなキーワード」を絞り込むことができます

逆にターゲットが検索しないであろうキーワードも整理しておくと、広告表示対象から除外できます。例えば商品の価格帯が高めだったり、安さよりも質を重視するターゲットユーザーにアプローチしたい場合は「安い」「リーズナブル」などのキーワードを除外することで親和性の低いユーザーを弾くことができます。

また、「求人」「アルバイト(バイト)」「パート」など同じ要素を指す言葉は、仕事探しという共通性はあっても年齢や性別、目的で使うキーワードが違う場合もあります。正社員の働き口を探している方は「求人」を、学生であれば「バイト」や「アルバイト」を、主婦層は「パート」といった具合で、検索ユーザーが異なる可能性が出てきますので、ターゲットとなる世代に合わせてキーワードを取捨選択する必要があります。

ターゲットとは? 重要性やSTP戦略との関係性、設定の方法やWeb広告に活用するポイント」を読む

自社の商品やサービスの強み・弱みを知る

自社の商品やサービスに適したキーワードを選ぶには、自社商材のことをしっかり理解しておく必要があります。より深く商材について知るために、商品やサービスの開発者や開発に関わった人に話を聞いてみてください。具体的には、以下のような項目をヒアリングするとキーワード選定の参考になります。

  • 商材の強み・弱み
  • ターゲット層
  • 商圏エリア
  • 競合となる企業や商品
  • KGIやKPI など

口コミやお客様の声からヒントを得る

自社商品や類似商品に関する口コミ、お客様へのアンケートなどからキーワードを拾うこともテクニックのひとつです。ユーザーの声には潜在的なニーズが隠されている可能性が大いにあります。貴重な情報源ととらえ、丁寧にチェックしましょう。

商品やサービスへの口コミを集めるには、SNSや口コミサイトなどをチェックします。実店舗を運営している場合は、お客様から寄せられた質問や感想を活用するのもよいでしょう。他にもアンケートは対面やインターネット調査、メールなど多くの方法があるため、実施しやすいものから取り組んでみてください。

キーワード選定のためのアンケートを実施するときは、以下のような質問項目を用意するのがおすすめです。

  • 年齢や性別などのユーザー属性
  • 商品を知ったきっかけ
  • 商品を購入した理由
  • 商品への満足度
  • 商品の特に気に入っている点 など

競合調査をする

検索ボリュームが大きいキーワードほど多くのユーザーが検索していることになるため、その分クリックされる可能性があります。しかし競合が多いとキーワード単価が上昇し競争が激しくなるため、十分な量のクリック数を確保できない可能性が出てきます。そういった事態を避けるため、競合がどのようなキーワードで広告を出稿しているのか、逆にどのようなキーワードでは出稿していないのかを調査してみましょう。

同時に、競合の商品と自社商品の共通点と相違点を調べたうえで、ユーザーにとってプラスとなる、競合にはないポイントをキーワードとして洗い出しましょう。複数のキーワードを掛け合わせたロングテールキーワードを狙うのも有効です。

キーワードアドバイスツールを活用する

キーワードアドバイスツールはYahoo!広告が提供するツールで、キーワードやフレーズなどを入力すると関連するキーワードや各種推定データが過去の実績に基づいて表示されます。

推定値の最低値と最高値を確認し、選んだキーワードがどれくらいのボリュームがあるかをチェックします。可能性がありそうなキーワードをコピーし、キャンペーンエディターのインポート用ファイルなどに貼り付けて利用できます。

キーワードアドバイスツールについて、詳しくはこちらでも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

キーワードアドバイスツールとは」について詳しく見る

また、キーワードアドバイスツールを利用するには、Yahoo!広告のお申し込みが必要です。お申し込み、またキーワードアドバイスツールの利用は無料のため、ぜひご検討ください。

軸となるキーワードを決める

キーワードの洗い出しが終わったら、商品・サービスを知ってもらうための軸となるキーワードを決めます。サプリメントの販売であれば、「サプリメント」や「サプリ」など、それ自体を端的に表す名詞が軸となるでしょう。

掛け合わせるキーワードを選ぶ

軸となるキーワードと掛け合わせるキーワードを組み合わせ、一つのフレーズを作っていきます

例えば「サプリ」を軸にする場合、「サプリ ビタミンC」「サプリ シニア」「サプリ 飲みやすい 粉末」などが掛け合わせキーワードになります。

また、「シニア」の代わりに「高齢者」という言葉が使われる場合など、類語が存在する場合は、「サプリ 高齢者」など他の言葉でも検索されていないかをキーワードアドバイスツールなどで確認します。

キーワードアドバイスツールのほか、検索窓に表示されるサジェストキーワードもチェックしてみましょう。実際の検索実績などをもとに予測されるキーワードのため、掛け合わせキーワードを選ぶときの参考になります。

キーワードをブラッシュアップする

最後に、ターゲットやニーズを踏まえながら作ったキーワードをブラッシュアップします。ターゲットが検索しないと思われるキーワード、商品属性に合わないキーワード、商品を利用するシーンにそぐわないキーワードが入っていないかを確認します。

キーワードの「マッチタイプ」とは?

マッチタイプとは、登録されたキーワードと照らし合わせて「どのような場合に広告を表示するか」を決定する方法です。

マッチタイプには「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」の3つの種類があります。「サプリ ビタミンC」というキーワードを例にそれぞれに違いを見ていきましょう。

キーワードにおける3つのマッチタイプ

完全一致

登録キーワードと検索キーワードが完全に一致した場合、または類似パターン(意味が同じ場合や順番が入れ変わった場合)に該当した場合に広告を表示します。

完全一致のキーワードとして「サプリ ビタミンC」を設定した場合、表示される・されない例は以下のようになります。

表示される 表示されない
サプリ ビタミンC サプリ
ビタミンC サプリ ビタミンC
ビタミンCのサプリ サプリ 安い
サプリメント ビタミンC サプリ ビタミンC 安い

フレーズ一致

検索キーワードの中に登録キーワードと一致するフレーズが含まれていた場合に広告を表示します。表記ゆれがあっても表示されます

完全一致の場合は登録していないキーワードが含まれると表示されなくなりますが、フレーズ一致の場合は登録キーワード+登録外キーワードであれば表示されます。

フレーズ一致のキーワードとして「サプリ ビタミンC」を設定した場合、表示される・されない例は以下のようになります。

表示される 表示されない
サプリ ビタミンC サプリ 安い
ビタミンC サプリ ビタミンC 食品
サプリ ビタミン
サプリ ビタミンC 安い
ビタミンC 安い ビタミンC

部分一致

登録キーワードの類義語や関連性のある検索キーワードに対しても広告を表示します。表記ゆれ、誤字、類義語などを含んでいても表示されます

部分一致のキーワードとして「サプリ ビタミンC」を設定した場合、以下のすべてのキーワードで表示されます。

サプリ ビタミンC
ビタミンC サプリ
ビタミン サプリ
サプリメント
ビタミンC
サプリ 安い
ビタミンC 食品
健康食品 ビタミンC

複数のキーワードがマッチした場合、どの広告が優先的に表示される?

ユーザーが検索したキーワードと一致する登録キーワードが複数あった場合、どの広告が優先的に表示されるのでしょうか。Yahoo!広告では、以下の優先順位で掲載される広告が決まります。

優先順位 掲載される広告に登録されているキーワード
1 検索キーワードと同一で、かつマッチタイプに「完全一致」のキーワード
2 スペル修正された検索キーワードと同一で、かつマッチタイプが「完全一致」のキーワード
3 検索キーワードと同一で、マッチタイプが「フレーズ一致」or「部分一致」のキーワード
4 スペル修正された検索キーワードと同一で、マッチタイプが「フレーズ一致」or「部分一致」のキーワード
5 検索キーワードとの関連性とオークションランクの組み合わせがもっとも高いキーワード

複数のキーワードがマッチした場合の広告掲載について、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

アカウント内のキーワード選出の仕組み」について詳しく見る

リスティング広告のキーワード選定の注意点

キーワードを選ぶ際には「予算との兼ね合い」「除外すべきキーワード」の2点に注意する必要があります。なぜ注意すべきなのか、それぞれに見ていきましょう。

予算からキーワードの上限数を決める

キーワードの入札金額はキーワードの人気と比例します。検索ボリュームが大きいワードは入札価格が高くなりやすくため、人気のキーワードばかり集めてしまうとすぐに予算が消化されてしまいます。特に低予算でスタートするときには、人気のキーワードを絞るか、上限をあらかじめ決めておきましょう。

Yahoo!広告には、キーワード単価や必要予算を提案する「見積もりサービス」があります。広告運用のプロがサイト訪問増につながる検索キーワードを考え、1クリックあたりの料金目安とあわせた見積りを無料で提供します。ぜひご活用ください。

Yahoo!広告 「検索キーワード・料金見積サービス お申込みフォーム」

競合状況を見て入札単価を決める

リスティング広告を運用するうえで、入札単価も重要なポイントです。入札単価を低く設定すると広告費が抑えられますが、競合が入札単価を高めに設定していた場合、オークションに勝てずにそもそも広告を掲載できません。しかし、入札単価を高めに設定しすぎると広告の費用対効果が悪くなってしまいます。

このように、入札単価は低すぎても高すぎても問題です。そのため、狙いたいキーワードにどのくらいの競合がいるのかなど、しっかり調査したうえで入札単価を決める必要があります。

除外キーワードの設定をおこなう

検索数が多いキーワードでも、親和性が低いキーワードや成果につながらないと思われるキーワードは除外を検討しましょう。また運用を開始した後も、消費コストやクリック単価が予算に見合わないキーワードについては一定期間の結果を見ながら除外や停止を判断していきます。

例えば疲労回復サプリの広告の場合、「サプリ」という語句を部分一致で登録すると、「サプリ 美肌」「サプリ 睡眠機能」など、意図しない検索語句での広告も表示されてしまう可能性があります。そこで「美肌」「睡眠機能」を部分一致で除外キーワードに登録することで、意図しない広告が表示されることを防ぎます。

Yahoo!広告では「対象外キーワードツール」を利用して除外ワードの設定ができます。詳しい方法はこちらでご紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。

Yahoo!広告 「対象外キーワードツール」

設定できるキーワードには上限がある

広告の掲載確率を上げるためになるべく多くのキーワードを設定したいと考えている人もいるかもしれませんが、設定できるキーワード数には上限があります。思いついたものから次々と設定していくと上限をオーバーしてしまい、必須キーワードを入稿できなくなる可能性があるため、注意してください。

あれもこれもと設定するのではなく、キーワードを精査して必要なものだけ設定するようにしましょう。

Yahoo!広告でのキーワード作成方法

キーワードの選び方は、以下の8つの手順に絞り込むのが理想的です。順番に見ていきましょう。

Yahoo!広告でのキーワード作成は、広告管理ツールから以下の手順にておこないます。

  1. 1. 広告管理ツールにログインし「検索広告」タブをクリック
  2. 2. 「キャンペーン管理」をクリック
  3. 3. 左ナビゲーション上段の「アカウント選択」で適切なアカウントが選択されているか確認
  4. 4. 「キーワード」をクリックしてから、「キーワード作成」ボタンをクリック
  5. 5. 「対象を選択」でキーワードを登録するキャンペーンと広告グループを選択します。
  6. 6. キーワード入力欄で、キーワードを1行に1キーワードずつ入力
  7. 7. 「マッチタイプの設定」をクリックし、プルダウンから希望のマッチタイプを選択
  8. 8. 「保存」ボタンを押して終了
  9. 詳しくは以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

キーワードを作成する」について詳しく見る

キーワード選定ではユーザーの気持ちを想像しよう

本記事ではリスティング広告におけるキーワード選定の手順や注意点をご紹介しました。

ユーザーがどのような気持ちで検索するか、どのようなことを知りたくて検索するかを考えることで、よりニーズにあったキーワード設定ができます。

Yahoo!広告では、広告効果を高めるキーワードの選定をサポートするさまざまなサービスやサポートをご用意しています。コンバージョンに直結する広告運用を、ぜひYahoo!広告で実現してください。

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