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Webマーケティング入門 公開日:2021.08.27

リスティング広告の効果測定をするには? 具体的な指標や設定を解説

Yahoo!広告

リスティング広告を活用すれば、ユーザーが情報を求めたタイミングで広告を表示できます。しかしリスティング広告がどれだけ成果を上げ、売上に貢献しているかを測るには、適切な効果測定が重要です。

本記事では、リスティング広告で効果測定をおこなう際に必要な設定や見るべき指標を解説します。

リスティング広告は本当に効果がある?

リスティング広告の効果に疑問を感じている人もいるかもしれません。はじめに、リスティング広告は本当に効果があるのかを解説します。

リスティング広告は、規約を守れば基本的にどんな商材でも利用できますが、相性が特に良い商材があるため、効果が出やすい商材を知って活用することが重要です。

リスティング広告に合う商材

リスティング広告は規約の範囲内であれば基本的にどのような商材でも利用できますが、特に相性が良い商材があります。効果が出やすい商材を知って、上手に活用しましょう。

以下のような商材は、リスティング広告の活用が適しています。

  • 緊急性が高い
  • 単価が高い
  • LTVが高い

ユーザーが「今すぐ必要」と感じている緊急性の高い商材は、検索結果の上部に表示されるリスティング広告が目に留まる可能性が高く、相性のよい商材の一つです。例えば、葬儀や鍵修理、水道修理や害虫駆除などのサービスが該当します。

単価が高い商材も、リスティング広告に合う商材です。コンバージョン1件あたりの利益が大きいため、コンバージョン率が低くても広告費を十分回収できる可能性が高いからです。

リピート購入が多くLTVが高い商材は、一度リスティング広告からコンバージョンを獲得できれば継続した売上につながります。もしCPAが商材の単価より高くても、リピート購入されれば、いずれは広告費を利益が上回る可能性が高いです。

すぐに効果が出るとは限らない

リスティング広告はすぐに効果が出るとは限らないため、即効性を求めて出稿すると「効果がない」と感じてしまう人もいるでしょう。例えば、広告予算が少なかったり設定キーワードが商材とマッチしていなかったりすると、すぐに効果を出すのは難しくなります。

リスティング広告を運用する際には過度に即効性を期待せず、効果が出ていないと感じたら予算やキーワードを見直すなど、改善策を実施する必要があります

担当者による感覚に左右される

担当者によってはリスティング広告の効果をしっかり測定できていなかったり、そもそも効果を確認していなかったりする可能性があります。この場合、広告が売上に貢献しているのか正しく把握できず、「効果が感じられない」と思われているかもしれません。

また、担当者の感覚で「自分は広告をクリックしないから、きっとユーザーもクリックしないだろう」と思い込んでいるケースもあるでしょう。

上記のような場合、しっかり効果を測定すれば「実は効果があった」とわかることもあります。広告効果は担当者の感覚だけで判断するのではなく、数値データをもとに正しく評価しましょう。本記事の後半でリスティング広告の効果測定の指標を解説しているので、併せてチェックしてみてください。

リスティング広告の効果測定はなぜ、何のために必要?

先ほど紹介したとおり、リスティング広告の運用時にはしっかり効果測定をおこなうことが重要です。リスティング広告に効果測定が必要な理由は、主に2つあります。

まず、広告の成果を最大化するためには「現在配信している広告がどれだけ成果を上げたか」を測る必要があります。

リスティング広告では、どの広告がどれだけ表示されクリックされたかを数値で確認できます。各広告への反応から課題や成果につながった箇所を洗い出せば、次に広告を作成する際の参考になります。

また、広告の運用コストを最適化するためにも効果測定が重要です。コストに対して期待どおりの成果が得られたか、利益につながったかを検証し、費用に対して十分な効果が得られなかった場合、広告の見直しが必要です。

無駄なコストを減らして費用対効果を高めるためにも、正しい効果測定が大切です

効果測定をおこなうために必要な設定

リスティング広告で適切に効果測定をおこなうには、いくつかの設定が必要です。ポイントごとに見ていきましょう。

コンバージョンの設定

コンバージョンとは、購入や申し込みなど最終的にユーザーにアクションを起こしてほしい目標を指します。何人のユーザーがコンバージョンまで達したのかわかれば、そのリスティング広告がどれほどの効果を発揮しているのか、具体的に把握できます。

例えば、スポーツジムへの入会を訴求する広告の場合、無料カウンセリングの登録が1つのコンバージョンとなりえます。また、新商品の早期購入割引キャンペーンを宣伝する広告の場合は、実際にユーザーが割引を利用して購入完了したときにコンバージョンが成立します。

コンバージョンは広告の効果を測るための大切な指標なため、効果測定をおこなう際には設定が必須です

コンバージョンについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

コンバージョンとは? 指標の種類と広告運用で改善すべきこと」を読む

ターゲットの設定

ターゲットは、リスティング広告を通じて商材を訴求したいユーザー像です。ターゲット設定では、性別、年齢、居住地、職業、会社でのポジションなどの属性を決定し、リアルな人物像を描くことで、適切なターゲティングが可能になります。また、ニーズの合わないユーザーへの広告掲載を防げるため、コストカットにもつながります。ターゲットが適切か判断するためにも、必ずターゲットの設定をおこないましょう。

例えば、「30代 女性 東京在住 IT系企業勤務 プロジェクトリーダー」など、ターゲット像を細かく設定します。また、ターゲットとする具体的な架空の人物「ペルソナ」を作るのも効果的です。

ペルソナについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

ペルソナとは? ターゲットとの違いと設定時に用いる要素を解説」を読む

予算や目標値の設定

リスティング広告に投じる予算と目標の数値化も、効果測定を実施する際に重要な設定項目です。広告にどれほどのコストを費やすか、また達成したいコンバージョン数も決めましょう。効果測定を実施した際に、広告の効果を判断するための基準になります。

例えばセミナー登録促進の広告なら、広告予算30万円に対して目標は登録者数200人、といった形で設定できます。広告を運用したあとに、設定した予算と目標値を比べて効果測定ができます。

リスティング広告の効果測定の指標

次に、リスティング広告の効果測定で使用される指標をご紹介します。

リスティング広告の効果測定の指標

IMP(広告表示回数)

IMPはImpressionの略語で、広告の表示回数を示す指標です。クリックされた回数ではなく、広告が表示された数です。広告の運用画面で、「インプレッション」や「表示回数」などの項目から数値データを確認できます。

リスティング広告でIMPが少ないのは、あなたの広告がユーザーの検索結果に表示されている回数が少ないことを意味します。この場合、設定されたキーワードと入札単価の見直しが必要です。一方、IMPが多いからとはいえ、広告運用が順調に進んでいるとは限りません。見込み度の低いユーザーの検索で表示されている可能性があるため、適切な判断が必要です

IMPについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

インプレッションとは? 関連指標や増やす方法を紹介」を読む

CV(コンバージョン)

CVは、先ほど紹介したコンバージョンのことです。CVの獲得数は売上を左右するため、リスティング広告から何件のCVを獲得できたのか確認しておきましょう。CVを計測するには、広告出稿媒体が発行する計測タグを用います。購入完了ページなどCV獲得時に表示されるページに計測タグを設置しておくと、広告の運用画面でCV数を確認できるようになります。

CVに至るまでいくつかのステップが必要な場合は、中間のステップも併せて効果測定すると、より精度の高い効果検証が可能です。例えば商品の購入をCVとする場合、会員登録や該当商品の閲覧、カートへの追加などの件数も測定しておきましょう。このようなCVまでのステップを、「中間コンバージョン」や「マイクロコンバージョン」といいます。

リスティング広告のCVについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

リスティング広告のコンバージョン(CV)とは? 意味や種類、計測・改善方法を紹介」を読む

CTR(クリック率)

CTRはClick Through Rateの略で、IMPに対して広告がクリックされた割合を示す指標です。リスティング広告の内容が、どれほどのユーザーの興味を惹きつけたのか測ることができます。CTRは、次の計算式で算出されます。

CTR (%)=クリック数÷IMP×100

CTRが高いことは、広告に興味を示したユーザーの興味を惹く広告文やクリエイティブであると考えられます。CTRが低い場合は、ユーザーに興味を持ってもらえていない広告であるため、広告文の内容やキーワードの見直しが必要です。

リスティング広告のCTRについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

リスティング広告の平均クリック率(CTR)とは? 改善メリットとポイントを詳しく解説」を読む

CVR(コンバージョン率)

CVRはConversion Rateの略で、広告の最終成果であるコンバージョンの発生割合を示す指標です。そのため、効果測定では特に重要な指標のひとつです。コンバージョンの定義は、広告の目的ごとに異なります。CVRは、次の計算式で算出されます。

CVR (%)=コンバージョン数÷クリック数×100

CVRが高いことは、広告をクリックしたユーザーのうち、成果につながった割合が大きいことを意味します。CVRが低いことは、広告がクリックされたのにもかかわらず、成果には結びつかずWebページを離れるユーザーの割合が大きいことを意味します。広告の内容やキーワードの選定、あるいはランディングページなどの見直しが必要です。

CVRについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

CVRとは? 重要性や目安、改善方法、CTRとの違いも紹介」を読む

CPC(クリック単価)

CPCはCost Per Clickの略で、クリック1回あたりの平均費用を示す指標です。次の計算式で算出されます。

CPC=広告コスト÷クリック数

CPCの相場は、キーワードによって大きく異なります。一般的に、BtoB製品や法律関連サービスなど商材単価の高い業界のキーワードは、CPCが高い傾向にあります

CPCが低いことは、ユーザーを広告からWebサイトへ流入させるコストが安いことを意味します。同じ広告予算内でより多くのユーザーをWebサイトに送客できるため、広告の費用対効果が高くなるケースが多いといえます。

CPCが高いことは、ユーザーを広告からWebサイトへ流入させるコストが高いことを意味します。そのため、広告の費用対効果は低くなるケースが多いです。

CPCを低く抑えるには、リスティング広告の品質を上げ、なるべく検索結果の上位に表示させましょう。よりユーザーにとって魅力的な広告内容を考え、ニーズに合ったキーワードの選定が重要です。

CPCについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

リスティング広告のクリック単価(CPC)とは? 最適化の方法も解説」を読む

CPA(獲得単価)

CPAはCost Per Acquisitionの略で、コンバージョン1件あたりの獲得に要するコストを示す指標です。以下の計算式で算出されます。

CPA=広告コスト÷コンバージョン数

CPAの相場も業界によって大きく変わりますが、5,000円から10,000円程度の業界が多いため、一つの判断基準にしてください

CPAが低いことは、コンバージョン獲得に要するコストが抑えられ、広告の費用対効果が高いことを意味します。CPAが高いことは、コンバージョン獲得に要するコストが高騰しており、広告を通じて得られる成果が少なくなっていることを意味します。

CPAを安く抑えるには、まず予算や入札価格など広告を掲載するための設定が適切かどうかを見直しましょう。また、コンバージョン数を増やすことで、必然的にCPAは下がります。

CPAについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

CPAとは? 設定方法や活用するメリット・注意点を解説」を読む

ROAS(費用対効果)

ROASはRetrun on Advertising Spendの略で、広告費全体に対する売上の割合を示す指標です。以下の計算式で算出されます。

ROAS (%)=売上÷広告費×100

売上と広告費が同額のときはROASが100%になります。ROASが100%を下回る場合は売上より広告費が高くなっており、赤字を意味します。そのため、ROASが100%を上回るように調整が必要です。

ROASが高いことは、広告の効果が高く、売上につながっていることを意味します。ROASが低いことは、売上が広告料を下回り、赤字につながっている可能性を示します。

低い理由はさまざま考えられるので、広告文の内容やキーワード選定やターゲティングなど、観点から広告戦略全体を見直して改善する必要があります。

ROASについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

ROASとは? 活用のメリット・デメリットや改善のポイントを紹介」を読む

ヤフーのリスティング広告で効果測定する方法

最後に、ヤフーのリスティング広告で効果測定をおこなう方法を解説します。

コンバージョン測定の仕組み

ヤフーのリスティング広告では、広告管理ツールでコンバージョンを測定し、確認できます。Webサイトに「コンバージョン測定タグ」を設置し、コンバージョンを計測しましょう。

コンバージョン測定タグには、特定のWebページを訪れたインターネットユーザーがCookieの情報に基づき、過去に自社の広告をクリックしたか調べる機能があります。「商品の購入完了」や「問い合わせ送信完了」など、コンバージョン発生後に表示されるページにコンバージョン測定タグを設置することで、広告をクリックしたユーザーがそのページに到達した際に、コンバージョンの発生を確認できます

以下の動画では、コンバージョンをわかりやすく解説しているので、併せてご覧ください。

【検索広告入門】コンバージョンとは何か」について詳しく見る

コンバージョン測定の設定方法

コンバージョン測定の設定方法を簡単にご紹介します。

  1. 広告管理ツールの「検索広告」タブをクリック
  2. 「ツール」タブの矢印(▼)をクリックして、プルダウンメニューから「コンバージョン測定」をクリック
  3. 「コンバージョン測定」タブを選択
  4. 「コンバージョン測定の新規設定」ボタンを押す
  5. コンバージョン測定の新規設定画面が表示される
  6. 「コンバージョン名」を入力する
  7. 「コンバージョン種別」を選択し、プルダウンメニューで「ウェブページ」を選択する
  8. 「コンバージョン測定の目的」を選択する
  9. 計測方法を「初回のみ」もしくは「毎回」から選択する
  10. 「自動入札への利用」を選択する
  11. 「計測期間」を入力する
  12. 「1コンバージョンあたりの価値」を入力する(任意)
  13. [保存してタグを取得]ボタンを押す
  14. 同じ画面の「コンバージョン測定タグ」の「タグを表示」をクリックする
  15. タグをコピーし、ウェブサイトに設置する
  16. コンバージョン測定タグを貼り付けたファイルを保存し、ウェブサーバーにアップロードする

詳しい設定方法は以下でも確認できるので、あわせてご参照ください。

ウェブサイトのコンバージョン測定を新規設定する」について詳しく見る

Yahoo!広告では、広告主様向けに「コンバージョン設定代行サービス」を提供しています。コンバージョン測定に必要な各種設定を専門スタッフが無料で代行し、設定にかかる時間や手間を削減できます。ぜひご活用ください。

広告効果を可視化するコンバージョン測定とは?<マニュアル付き>」について詳しく見る

リスティング広告の効果測定の前に設定・指標を理解しよう

リスティング広告の効果測定は、広告効果を最大化し、運用コストの改善を図るなどの重要な役割を担っています。効果測定を実施する前に、コンバージョン、ペルソナ、予算、目標値などの必要な設定を済ませておきましょう。

効果測定で見るべき主な指標はIMP(広告表示回数)、CTR(クリック率)、CVR(コンバージョン率)、CPC(クリック単価)、CPA(獲得単価)、ROAS(費用対効果)の6つがあります。各指標を考慮すれば、広告の成果が伸び悩む場合、適切な対応ができるようになります。

Yahoo!広告では、広告出稿準備から効果測定まで、わかりやすい情報提供と充実のサポートでお客様の広告運用をご支援します。また、Yahoo!広告のアカウント作成後は、コンバージョン設定代行サービスをご利用いただけます。リスティング広告の利用をお考えの際は、ぜひご検討ください。

広告効果を可視化するコンバージョン測定とは?<マニュアル付き>」について詳しく見る

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